
"視座"
Constellations of Veiwpoints
ARTIST
石川直也 Naoya ISHIKAWA
稲垣美侑 Miyuki INAGAKI
岩崎広大 Hiromasa IWASAKI
岡本羽衣 Hagoromo OKAMOTO
CaNNNA
山本恵海 Megumi YAMAMOTO
日程 |2023年10月28日(土) − 2023年11月6日(月)
時間 |午前13時 − 午後19時00分(最終日のみ16時迄)場所 | 銀河101
〒164-0003東京都中野区東中野1-46-20 植野荘1階JR総武線東中野駅 徒歩約 2分
地下鉄大江戸線 東中野駅 徒歩約 5分
関連イベント
「アーティストトーク」
日時: 10月28日(土) 18:00~19:00
参加費:無料
出展作家6名によるアーティストトークを行います。
※混雑緩和の為、入場人数の制限を行う可能性があります。
<Statement>
「視座」とは、広義的に「ものを認識する立場」を意味する言葉であり、そこでは前提として「みるもの」とその「位置」が想定される。古くより、航海士たちはその頭上に広がる数多の天体を観測することで、大海原における自らの位置を知り、陸から遠く離れて航海を続ける上での道標にしたという。また一方、秋になって船上を旋回する渡り鳥に気づくとき、彼らが見ている世界にはきっと、私たち人間とは異なる法則によって生みだされた景色が広がっているに違いない。
小さな眼、
寄り添うかたち、
横ぎる羽音、
かけあう言葉、
ひとびとの集い、
横たわる石、
過ぎ去る時間、
忘れゆくもの、
芽吹くものたち、
ここに立つこと
想像をしてみる。
私たちの周囲に広がる大小さまざまな世界の、
まだ知らない気づきや驚異をもたらしてくれる幾つもの眼差しとその可能性について。
本展「視座 Constellations of Viewpoints」は、それぞれ表現手法やテーマの異なる6名のアーティストによって構成されている。仮に、銀河101の展示室をある一つの天体と想定したとき、個々の作品たちはどのような位置を測り、この空間に在ることができるだろう。交錯しあう視座によって、ひとつの銀河を生みだすことは可能だろうか。
稲垣美侑


" 渦としかく "
Wholes andQuadrangles
日程 |2023年9月15日(金) − 10月14日(日)
営業日:火曜 − 土曜日
定休日:日・月・祝日
時間 |12:00 − 18:00
場所 | CLEAR GALLERY TOKYO
岸田ビル2F 7-18-8
Roppongi Minato-ku, Tokyo
交通アクセス 日比谷線「六本木駅」より徒歩5分
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Press Release ------------------
この度CLEAR GALLERY TOKYOは、稲垣美侑の個展「渦としかく」を開催いたします。弊廊で2年ぶりの個展となる本展では、稲垣が2018年から継続的に訪れている三重県鳥羽市の離島で出会った情景から制作された新作の油彩画、陶器などの立体作品を展示いたします。
稲垣は、自分の置かれている状況や他者の理解など様々な環境を含めて、自身のごく素朴な関心として「目の前に広がっている世界がどんな姿だったのか」ということを考えたり想像することが、作品をつくる動機付けのひとつになっていると言います。そして身辺にある環境を観察し、日常の積み重ねから生まれる景色やその場所に宿る記憶や感触、その場所に触れることで得たイメージの断片を、画面の中で確かめながら再構築しています。また稲垣は、制作においての重要な取り組みとして、何度も繰り返し取材地を訪れることを続けています。それは稲垣にとって何か大きな実践というよりも、日常の延長線上の中で眺められる景色への探求心であり、行ったり来たりを繰り返し、その往復運動で打ち返される感覚や、生き物や他者からの目線、その地に残された言い伝えなど周囲や環境とのやり取りから、何か現実だけではない人間由来の想像力や遊戯的な行為によって紡がれる物語の切れ端のようなものを、絵や展示空間のなかで描き起こそうとしています。
本展のタイトルである「渦としかく」は、2018年頃から継続的に訪れている三重県鳥羽市の離島で出会った建造物と、その建物を棲家とするカタツムリから名付けられています。折に触れて幾度なく訪れるその離島で目的もなくただ道なき道を歩み進める中、突然林の中に出現したコンクリートの建物は、戦時中に砲弾の着弾点を観測するために建てられたものです。今は用途を失いカタツムリの居心地の良い棲家となり、かつて砲弾を観測していた大きく開口された窓からは、美しい水平線を眺望することができます。人間主体で作られた建物が、その意図とは関係のないところで新しい役割を持ち、島の自然の一部と化した景色、カタツムリと廃墟の共存的関係性から着想を得て制作された新作の作品群は、隣り合う面と面の色や形の関係性へと還元され、画布と溶け込むように丁寧に重ねられた揺らぎある色彩が印象的な抽象的な絵画や、異素材で構成されたコラージュ作品、また今年から見られる陶器の立体作品として展示発表いたします。制作活動の初期より、稲垣にとって絵画制作とは、絵画が存在する空間を含めての表現であり、本展は稲垣の言葉でいうところの「絵画的空間」が意識された展示になります。そのような意識を顕著に空間構成に取り入れたのが三重県立美術館「パラランドスケープ “風景”をめぐる想像力の現在」(2019年)での展示になりますが、環境を往還する稲垣の活動と重なるように外へと広がった表現は、2019年以降一時的に絵画の内へと立ち戻され、絵の役割やその中で起こることに向かい合う制作時期を意識的に設けてきました。しかし今年に入って再び、絵画内の色や形が、陶器や異素材で制作された作品などに緩やかに展開されるようになったのは、イメージを探る過程や作る行為の中でこぼれ落ちてくるもの含めて、それぞれを表現内の一部として空間に存在させてみる、という試みと意識の変化が表れています。
稲垣が提示する、違うものが存在しながらもそれぞれが響き合うことで生まれる新しい景色は、私たちの日常の中にまだ見えていない多くの愉快な光景が広がっていることを思い起こさせます。会場を歩きながら、鑑賞者それぞれの視点でお楽しみいただけたら幸いです。

" ひびのね "
日程 |2022年8月18日(金) − 10月1日(日)
時間| Webより要予約制
場所 |経堂アトリエ Plum Gallery
〒156-0052 東京都世田谷区経堂4-31-8 2F・3F
Tel:03-4285-1073(ヨニハ イトナミ)
Fax:03-6322-4789
WEB |https://kyodo.atelier-inoue.jp/access/ (経堂アトリエ Plum Gallery)
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Statement ------------------
身近な住環境や自然への繰り返しの観察行為によって、個人や場所に内包される記憶や諸感覚を拾いあげ、 描く行為を通じて、私たちの生きる場所やそこに広がる景色について問い続けている。近年は主に、人々 の生活の傍らに位置する《庭》をモチーフとした作品シリーズを手がけている。 本展「ひびのね」は、昨年度の個展「草むらの音素」の要素を引きつぎながら、今夏新たに経堂アトリエ の庭に加わった朝顔への観察をはじめ、庭先にこぼれ落ちる音や質に触れることで作品のイメージを展開 している。レイチェル・カーソン ( 海洋生物学者・作家 ) は、晩年の著作「The Sence of Wonder」のなかで、すべ ての子どもが生まれながらに持っている「神秘さや不思議さに目を見はる感性 (The Sence of Wonder)」 を失わないことの大切さを語っている。見落とされ、忘れ去られていくような他愛もない風景とその断片 --日常に眼差しを向け、じっくりと眺めてみること。そのような他愛もない繰り返しの関係性のなかに、 私たちが生きる世界を味わい、創造的な感性を再発見するための手立てが潜んでいるのではないだろうか。 足下の先に広がるささやかな景色、庭先の小さな生きものや植物たちへ敬意を込めて。